10月13日

2015.10.13

今日は2現場に別れて。

一件は守山市金森町、塗装工事の段階で念の為、屋根の確認を依頼され現調した結果、隅棟の施行法に問題有りで、急遽改修工事です。

   
隅棟直下の瓦は屋根形状上、三角に加工しなければならないのですが、 その瓦が釘やビスで固定されておらず、周りより30㎜前後ズレています。このままでは、雨水の浸入の危険もあり、今日の強化棟工法で修理します。

   

てっぺん太丸瓦(棟瓦)をめくってみると、防水の為のモルタル湿式材 も本来棟木を包む様に塗り上がらなければならないものを下端にチョロチョロと盛っただけ。築後30,40年、30年〜40年前と言えば県下、特に湖南地方のこの辺りは新築ラッシュ、現在こそ少子化や新築戸数の減少で、新築上棟も1日車で走っていても数件見るか、見ないか。でも僕が小学校の低学年くらいの時は、一つの町に軒並み上棟してました。そんな訳で、当時の職人も次から次へと請け負いで現場が途切れる事なく、昔の大先輩職人さんは「雪の日もスパイクを履いて投光器付けて仕事した」言うてました。そんで一月分の手間代を引っさげディーラーに商用車を現金で買いに行ったなど。

皆が皆ではありません。真正面な職人さんも多々いますが、やはりこの当時の家にしろ屋根にしろ欠損や不十分な施行方法が多々見受けられます。瓦を剥がすと、中に屋根の上で職人達が吸っていたタバコが入っていたり、休憩に出された茶菓子のパックを一緒に屋根の中に埋めたり。現在では全く考えられないような建築業界だったのです。

   
    
   

色が変わってる部分だけズレていたわけです。

もう一件は、一旦引き上げた西生来の葺き替え現場、仕上げの工事、各板金工事に入りました。

   
    
   
一階の増築した平家部分の内部を含めた総改修。屋根は軽量化を希望され続いた母屋と極端な変化や違和感をなくす為、屋根材は鶴弥さんのスーパートライF2の美銀色をチョイスしました。素材の生み出すいぶし瓦色に釉薬色で最も近づけたのはこの美銀色だと個人的に思っています。取合い板金も上手く綺麗に収まりました。

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