過去最強クラス台風14号に備えて

2022.09.18

今年の敬老の日含む3連休は、生憎過去最強クラスの台風14号の影響で防災連休になりそうです。

我が家も巷で流行りの愛犬同伴OKのグランピングなるものを3カ月前から予約しておりましたが、あっさりキャンセルさせていただきました!

今日は全国の基準風速と台風の関係や、今回の台風被害への警戒・注意事項(屋根に限り)などについて、職業経験をもとに記載してみたいと思います。

基準風速(Vo)って

基準風速は2000年に建設省(現国土交通省)告示第1454号で定められたもので、その地方における過去の台風の記録(最大風速)に基づき、50年に一度の大型台風を想定し30m/秒~46m/秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速です。
下図は基準風速Vo図で、全国の市町村別に2m/秒間隔で定められています

因みに滋賀県下の基準風速はそれぞれの市町村でVo=34とVo=32になっています。Vo(m/秒)

基準風速(Vo)と最大瞬間風速の関係は?

実際の台風では、各地の基準風速(Vo)よりも大きな最大瞬間風速が観測されます。例えば2004年の台風18号では、広島で最大瞬間風速60.2m/秒を記録し各地に甚大な被害をもたらしました(広島の基準風速は32m/秒)。 
では、基準風速(Vo)38m/秒のカーポートに最大瞬間風速60.2m/秒がかかると壊れるのかと言えばそうではありません。基準風速は建物の設置されている状況(街中or平原)や建物の高さ、その他係数を用いて風圧力を算出する為の数値です。状況により誤差は生じますが、各地域の基準風速(Vo)は実際の目安として概ねその数値の1.5~1.8倍程度の最大瞬間風速に耐えうることを想定して定められています。
※気象庁 災害時自然現象報告書 2004年第3号より
今回、九州地方に上陸する可能性が高く、北上しながら上陸寸前で930hPa前後に若干勢力を落として本州を横切ると予報が出ています。一般的に台風は陸地に上陸すると勢力が極端に弱まる傾向があり、不謹慎な言い方で恐縮ですが、九州地方〜中国地方〜近畿地方へ到達する過程で恐らく970hPa前後に弱めていると思われますが、進路方向の東側に位置している為、やはり暴風による被害は4〜5年前の台風21号に近いものがあるんじゃ無いか?と長年の経験から予想しております。

<被害を受けやすい地域>

通過前の風は南から南東方向からの強風または暴風で、通過後は逆に北寄りの風が強くなります。滋賀県内で被害が出やすい地域は①湖岸周辺、②比良山脈麓の比叡おろしの影響を受けやすい地域、③住居が密集していない田畑、田園地帯、④都市部でも高い高層建造物に囲まれたり、谷間にあるような立地条件は、乱流現象によりピロティ風などの作用も合わさり風速が強大化します。
<被害を受けやすい建物>
①所謂、田舎普請と呼ばれる旧在所に多く点在する旧日本家屋が圧倒的に多いと言えます。理由は築30年以上の建築(土壁の柱が剥き出し真壁工法)下地防水性能が近年の建築基準法に照らし合わせても脆弱で、恐らく上記地域の南〜南東側、北側の1Fならば縁側などある天井付近、2F壁との取合いになっている1F天井などから漏れると考えられます。
また、屋根形状を含めた作りが豪勢な割に雨仕舞いが悪いのも事実で、入母屋屋根ならば降り棟、隅棟などの所謂破風尻周辺も雨水処理が追い付かずオーバーフローを起こす可能性が有ります。
②築40年前後の旧分譲地。塗装の類いのみで屋根材自体にアップデートなど、特に何らメンテナンスを行ってきていないスレート屋根は、棟部の鉄板を留め付けている釘(昔は鉄なのでたいがい錆びている)が頼りなく吹き飛んで行く可能性大です。
③その他、屋根上付属物では古い天窓、鳩小屋など意匠性を優先した建造物は、長時間の風雨で漏水するリスクが高まります。※垂直の面でも横殴りの暴風雨が長時間続けば、水を張った桶の中と一緒の状態です。
以上、ザクッとした過去の経験を踏まえた見解を記載してみました。とはいえ、被害が無いにこしたことはありません。備えあれば憂なしです!今一度ご自宅の雨仕舞い要注意箇所を御自身なりに探してみてください!

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