本物の土を求めて、、、

2018.03.02

今日から御近所様の修理が再スタート。

広い敷地内に母屋、離れ、蔵が建っており、手を付ける箇所が多い為、御近所様の誼みで飛び飛びの着工で融通を聞いていただいていました。

土蔵造りの外観は長年の雨風で下地粗壁まで洗われて露出してしまい、昨年の台風で妻壁部分を含め、かなりの被害を被りました。

積蓋袖瓦(セキガイそで)平袖瓦、棒けらば、などとも呼ばれている瓦で、最近では珍しくなった収まりです。

竹と貫を格子状に編み込んだ下地(小舞下地)に粗塗り、中塗り、上塗り仕上げを重ねられた土により、聚楽壁、錆壁、紅壁があり最終壁の厚みは30センチ近くにもなり、防火効果もあります。言い方を変えれば、築後100年はゆうに経過してまだこれだけの状態、巷には100年住宅など謳う建て方メーカーもありますが、糊ベッタリの集成材、サイディングなどの新建材などでは到底真似出来ない、日本が世界に誇る良き建築文化。

じゃ、職人として礼を尽くしましょう!

補修する土も田んぼの粘土質の滋賀の土を使わず、 創業254年! 長い歴史の中、京都御所に土を献上する鑑札も持っておられた、土を知り尽くした中内建材店さんで、最高の聚楽土を仕入れます!

最近の建築業界て、何かとデザイナーズハウスとか、洒落たオフィスとか、まずそういう技術やクオリティーと関係の無い所でお客様の関心をひこうとする傾向にありますが。。。

ハッキリとは書きませんが、本物って案外こう言う事なんですね〜

後は舟で一緒に仕入れた、スサと篩にかけた真砂を混ぜて練り上げます。

たった3〜4センチの厚みを塗るにも一気に塗れません。少しずつ乾燥を繰り返しながら上塗りして行きます!

屋根瓦の鬼瓦には当時の葺き師と鬼師の刻印が施されていました。

こう言う現場に携われると、本物って良いなぁ〜!と改めて日本の伝統建築、日本瓦を施工出来る自分自身に感謝する瞬間です。

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