ふと感じた事

2016.03.25

先月に修理をさせて頂いた蔵、元請さんがおられるんで当社直接の仕事では無かったのですが、先日「施主様の要望で、下屋の邪魔な部分をカットしたんで、瓦の復旧をして欲しい、、、」と携帯が鳴りました。

大工さんから事前に(瓦割りの都合上、何処で切ったら良いか?)と言う連絡も無く、蔵に入れる大工さんだから、瓦の融通も分かるか?

と現場に向かったのが間違い。 

本当に偶然とは言え、どうなればこんなに中途半端な位置でカットされているのか?と言う位、最悪な寸法でした。万が一の場合を考え、雁振を積んでいて良かったです。

   
 
昔、まだ二十代前半の頃、我が親方に師事していた頃、今では考えられない位、まだ田舎の豪勢な新築が建ちまくってました。今ではメッキリ少なくなった、土葺きの相手番をしながらよく親方が、「大工と雀は隅で泣く、屋根屋とウグイス谷で泣く、、」なんて鼻唄まじりに言ってましたが、当然その頃はその言葉の意味も奥深さも理解出来ませんでした。

現代建築、全てが効率化、簡素化されて、ミリの仕事へのこだわりも薄れていく中、一度妥協し出したら仕事へのプライドや意識も薄れてしまう。

純和風建築に携わる機会は年に数回ほどですが、そういう場面では昔を思い出しながら、妥協した仕事はしたくないと改めて思いました。

昔の本当の職人さんは、大工さんも、屋根屋さんも、板金屋さんも皆、互いに関連する職種の方々はお互いの仕事内容の深い所まで解った人が多かったです。

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